安らげない生活
いつも充足感がなかった。
夫はモノや買い物で、
私はまごころや思いやりで満たしたい。
だからいつもすれ違っていた。
お互い現実から逃避していた。
家を建てれば変わるか、
子どもができれば変わるか、
いつも夫の変化を期待していた。
自分のことを棚に上げて。
ある日、子ども作らないのか?
と友人に尋ねられた夫は、
「金がないから・・・」と平気で話していた。
金がないんじゃない、あなたが無駄遣いしているからだ!
と私は怒りまくっていた。
夫はどうしても変わらなかった。
それどころかどんどん離れていった。
私も、いつも逃げたかった。
結婚生活
婚家は町内、お寺、親戚との付き合いを重んじるところがあった。
私は長男の妻。
新しく作られたお墓に長男の妻○○と書かれた。
「いつまでこの家にいられるのかわからないのに・・・
私の名前なんて書いたら後悔するよ」
と内心、思っていた。
面と向かって言われることは少ないが、
よくいう跡継ぎはどうなのか?という雰囲気になっていた。
というか家族以外の周りの人からの視線が気になった。
舅姑は私に気を使っている、
そんな雰囲気も嫌だった。
5年間子どもはできなかった。
このままでは肩身がせまい、
と思い、不妊治療を始めた。
それでもすんなりと授からなかった。
諦めた途端、自然にできた。
男の子だった。
子どものいる生活
分娩が終わった後から、
親戚がかわるがわる病室や実家に跡継ぎを見に来た。
休めなかった。
その時はそれが普通と思っていたが、
あとから「変な習わし」と不満が残った。
子どもがいても、夫はギャンブルに勤しみ、
子どもが40度近く熱を出しているのに、
「友達と飲むから」と家を空けたりしていた。
もう限界だった。
夫に扶養されている自分は〝自分”じゃなかった。
やっぱり仕事をしている方が生き生きしている。
仕事に就いて経済的に自立すること、
息子と一生懸命生きること、
そして離婚することと決め、33歳で離婚した。